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サッド ヴァケイション [映画]

何を言っているのか聞こえないところが多く何度も巻き戻して見た。映画館だったらクリアに聞こえたのかイライラしたのか。DVDはイライラしながら見た。特に主人公が弟に「出て行け」と迫るシーン。せりふはなくともトーンでどういう会話なのか分かりますが。

浅野忠信がある雑誌で「愛してる、と言う気持ちで1,2,3と言えば、きっとそう聞こえるんです、せりふなんてどうでもいい」と言っていたのを思い出す。でもやっぱり何と言っているか聞きたいと思うのが人情で。

いやあそれにしてもあの弟は大っ嫌いだわ。死んでくれてよかった。せいせいした。当たり前じゃボケ、と言いたい。もちろん殺したほうは罪を償うわけですが、あのガキは死んでくれないと。最近特にそういう事件が世の中に多いので強く感じた。「親に向かってあの女とは何じゃ」と言っていたけど、そんなこと思ったって偉くない。誰でも思うとるわ、と言いたい。

まあでもあの弟の立場から見てみると、どんどん自分の家の中にわけのわからない他人が入り込んできて、彼は彼で自分の家族を守りたかったのかもしれない。そう考えると彼の回りは敵だらけということになるし、あの行動にもうなずけるけど、どうしたって主人公の目線で見ているからムカついた。ああいう人を野放しにしとくのはよくない、と思ってしまった。

母性の話、と解説が出ていたので「ああ、そうなの」としか思いませんが、今までの人生ずっとそうだと思い込んできて、真相はそうじゃなかった、みたいなことはよくあることなのかな、と思います。母でもあり、女でもあり。でもそういうの子どもにはわからないから。男には、女のことは理解できない。でも、女に帰る。

浅野忠信は「インビジブル・ウェーブ」に引き続き罪を償う、みたいな役で。しかも光石研も出ていて。なんであの人がいっぱい映画に出てるのか、僕には良さが分かりません。どんな役でもいっつも同じような気がするけど。毎回同じものを求められる脇役なのでしょうか。そんなのつまらない。どれだけ講釈垂れたって伝わらなければ意味がない。

逆に印象に残ったのは、「人生には偶然はない。会うべき人に会う。そういうもんなの」。あの言い方、たまんね。でもラストのしゃぼん玉はなんかわざとらしくて陳腐だったなあ。

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クローバーフィールド [映画]

 フェイク・ドキュメンタリー(というかホームビデオ調の映画)が好きなのでよかったです。というかアメリカ公開時から気になって気になって仕方なく、散々調べ漁って上で観たのでそれほどドキドキではなかったのですが(ガヌって!)、それでも地下鉄のシーンは手に汗握った。暗視カメラになる瞬間は「来るぞ来るぞ」と分かっててもやっぱりビックリしたし。暗視カメラにした瞬間にもっと近くにいてもよかったと思います。画面いっぱいあの虫の顔、みたいな。

 避難所であのカメラマンを救った男気溢れる女の子が死んじゃうシーンは(テント越し)ずいぶんちゃちだなあと思っていたら、あれはモンスターじゃなくて防護服着た人だったのね。それでもその後のシーンは衝撃的だったけど。顔がタイプだっただけに、悲しかった。 あの映像が受け付けられる、受け付けられないとよく言われていますが、僕は酔わなかったし、よかったと思う(もう普通に怪獣映画撮っても、アメリカゴジラみたいになってつまらない)。

 きっとああいう状況になったら何が起こってるのか分からず、ただ逃げ惑うことしかできないのだろう。 しかし一番怖いのは天変地異自体ではなく、それによって自分の大切な人を失うことだ。そしてもし失いそうになっても、自分にはそれを止めることはできないのではないかという恐怖。主人公は彼女が生きててラッキーだった。僕は「助けに来ようとしてあなたまで危険な目にあうのは嫌だから、助けに来ないでね」と思う。

 テロ以降「9.11を髣髴とさせる~」という言葉が決まり文句のように並ぶようになったが、怪獣映画を観に来る人が「テロの恐怖と悲惨さをこの映画から味わおう」とは思うまい。単純に、ヒーローや怪獣やアクションを観に来るのだ。テロの悲惨さを味わうならドキュメントを見ればいい。

 怖いのはテロさえも食い物にする商業主義者たちだ。被災しあたかも深い傷を負い、それでも懸命に生きようとする犠牲者のような顔をして、これまでとなんら変わらない金儲け主義の娯楽映画を作り続ける業界人。「踊る大捜査某」という映画のプロデューサーか誰かが「放送人として9.11を避けることはできなかった」という趣旨のコメントを残していたが、あの映画の何が9.11を示しているというのだろう。「人気の集まった登場人物の中の誰かが死ぬかもしれない」というお約束の宣伝で客を集め、主義も何もない映画を垂れ流す「放送人」。国辱者。あの映画に関っている人間はみな何も感じないのかと不思議で仕方ない。ああいった映画にスター俳優が出て、観客動員数の記録を立てていることが、もう日本の映画に良心を望むなということだ。いや、日本人に、か。

 結果的には後世の人間がその悲惨さを知るための記録でも、撮っている人間の根底にあるのは「好奇心」や「生活のため」などの下世話な感情だ。人が撃たれた瞬間の写真をとって賞をもらう。それがその場から逃げずにとどまり真実を伝えようとした勇気なら、そんなにすばらしい勇気があるなら、撃たれた人を助けろよ。自由の女神の首を携帯で写真に撮る人々にあるのは「後世に伝える勇気」ではなく「物珍しさ」だ。

 「人々はきっと知りたがるはずだ、我々がどうやって壊滅させられたかを」。それを撮る人の真意は。あの台詞が頭から離れない。
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猟人日記 [映画]

「スターウォーズ シスの復讐」の佳境。マグマの荒れ狂う中での最後の決闘で(暑くないのか)、オビ=ワンは悲しみと怒りに震えながら弟子にこう言う。「アナキン、パルパティーン議長は悪だぞ!」そしてアナキンに「僕に言わせれば、ジェダイこそ悪だ!」と言い返される。僕に言わせれば、おめーこそ悪だ。ユアン。「トレイン・スポッティング」等からあの男が聖人君子でないのはもちろん知ってる。しかしこの映画により、ジェダイマスターをやっていいのか、というよりスターウォーズに出でいいのかと思う。あんな汚れた人が。

あのシーンがなければ、「ああダメな男の映画だなあ」という気持ちで見れた。ヴィンセント・ギャロとかと同じ系統で。でもあのシーンで一気に引いた。ドン引きだった。トラウマになりあんな映画は一刻も早く手放したいとすぐにレンタルビデオ店に返却した。

あのシーンというのはあのシーンである。回想で主人公が恋人と口論になり乱暴するシーンである。ああもう書いているだけで吐き気がする。あんな甲斐性なしの男は逆に女に鈍器で殴り殺されればいいのだ。まあしかしあんな男でも置いておくのは業なんでしょうな。やられてる途中から泣いてるんだか笑ってるんだか分からなくなってました。おまけに「妊娠してるの」とか言ってありえないところで始めちゃうし。盛りのついた犬か、お前は。

役柄はまだいいとして、本人たちはどういうテンションであのシーンを撮ってるのだろうと不思議に思います。また演出側はどういう気持ちなのか。自分の娘があんな役で映画に出てたら殺します。相手の男も。「体当たり演技」とかどうでもいいから。何の意図があるのか、と不思議でしょうがない。そしてユアン・マクレガーは家族想いで、すべての現場に自身の家族を連れて行くそうですがこの映画もそうしたのか。そもそも家族想いならこんな映画出ねえんじゃねえの。

と、ひとつのシーンで熱くなってしまいましたが。それくらい嫌だった、と言いたかったのです。そしてあのシーンがダメな理由はもうひとつ。他の性的なシーン、例えば人妻とベッドに横たわってる倦怠感とか、夫にばれそうになって「早く出て行きなさいよ」みたいなのとかは結構リアルだったのに、あれは絶対無いだろう、ということ。いかにも「映画的セックス」シーンだということ。ひどいことしてるのに、リアルじゃないから余計痛々しい。わざとらしい。その後の酒飲んで帰ってきてやっぱり同じベッドで寝るのね。

佳境にて無実の男を救おうと(?)匿名の手紙を出したりして、でも結局救えないのが、あの男が「すべてにおいて中途半端」であることを表現しててよかったんじゃないでしょうか。ほんのひとかけら残った正義心や良心では誰も救えない。自分自身はもっと救えない。同じダメ男でも「愛すべき」ではなく「憎むべき」男で、でもきっと後者の方が世の中には多いのかなあと思うと残念でなりません。増えろ、愛すべき。

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アドレナリン [映画]

ジェイソン・ステイサムのファンでだいたい出演作は観ているのだが、これはヒドい。あまりのヒドさに途中気を失った(寝た)。ちょっとそんな姿は見たくないよと思うシーン満載だった。好きなので残念だった。出る作品を選んで欲しい。

彼はヒーローにしてはちょっと怖いというか、強すぎるイメージがある。絶対にやられなさそうな顔をしている。「コラテラル」でジェイミー・フォックスがやっていた役のオーディションに落ちたというのも頷ける。彼だと強すぎるのだ。どこか脆い部分を抱えたキャラクターは似合わない。普通に笑っても不敵に見えてしまうところが彼の良さであり不利なところでもあると思う。

しかし今作では窮地に立たされっぱなし、追っているのに逃げているような不安を覚えるまではまだいいものの、アクションもスマートとは言えなかった。相手の手を斧で跳ねたり、ミシンで縫い付けたりするシーンには違う意味での痛々しさを覚えた。必然性を感じない暴力はホラーなのかなんなのか分からず不快なだけだ。

そして一番失望したのはチャイナタウンみたいなところでやっちゃうシーン。万歳しながら「俺は生きてるぞ!」とか言って寒いにも程がある。中国人たちの好奇の目を浴びながらセックスしているのは何かの暗喩だろうか。ここまでくると演出ではなく役をやる女優の神経の方を疑う。

ラストの落ちていくところも安っぽくてどうしょうもなかった。ヘリコプターから落っこちながら電話でしゃべれるかよ!死に顔を見せる意味も全く理解できない。まばたきしたけど生きてたんでしょうか。無敵な彼のことだから有り得るけど。とにかくこういうのには二度と出てほしくありませんジェイソン、と思ったら、Wikipediaで続編の情報を目にしました。マジですか!?鑑賞後少し傷ついたくらいだったので、ガセであることをただ祈るのみです。あとあの気持ち悪い医者は「パニック・ルーム」に出ていた覆面男でしょうか。ハゲ方が特徴的な。

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2007年、みた映画

印象に残っているやつ。レンタル含む。

「アイ・アム・レジェンド」
ドキドキした。CGの陳腐さを加味しても、圧倒的によい。

「エクスマキナ」
山寺宏一が言うとどんなクサイ台詞も素敵に聞こえる。ああいう人を本物の俳優と呼ぶのだと思う。

「スパイダーマン3」
ようやくすっきりした。これのためにあのつまんない1と2があったのだ。

「ホリデイ」
特に言うことねえ…。

「バベル」
どうかなあ…。ああいうあざとい役は別に誰がやってもよいのでは…。

「大日本人」
非の方が多いようだけど、僕は好きだった。というか、観た直後は「なんだこれ」と思ったけど、DVDで観直したらよくて、もう結構な回数観ている。もしかしたら邦画ナンバーワン。大日本人とは強烈な皮肉。意外にモラリストなんだと思った。

「ラッキーナンバー7」
サー・ベン・キングスレーにあんなことしていいのか。でもよかった。

「カオス」
やっぱりね。でも好き。

「ダイハード4」
好き。

「ゾディアック」
ダメ。どこが見せ場?

「トランスフォーマー」
ヒロインが小澤マリアに似てた。

「オーシャンズ13」
1の感じに戻ったのは残念。曙は…?

「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」
クソ。

「椿三十郎」
この映画に出てた人はもう映画に出ない方がいいと思う。

映画館で観た方が多かったみたい。しかも大作ばっかり。つまらない人間になったなあ。


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甘い人生 [映画]

韓国人なら誰にでもホイホイついていく人間と風潮を軽蔑し、これまで「半韓流」を胸に韓国映画はできる限り観ないようにしていた私ですが、先日観た「cut」でいとも簡単にイ・ビョンホンの魅力にやられてしまいました。完璧じゃないんだけどイイ男で、冷たそうに見えるけど、実はイイ人なんじゃないか、と思わせるあの雰囲気。この映画では、ほとんど笑っている姿はありませんでしたが、「キラースマイル」の名もなんか説得力を持って響きます。声もいいし。……我ながら、なんて簡単な性格。

あの愛人とどうこうのなるのかなあと思っていたのですが、フタを開けてみれば、かなり「オトコのコ」な話でした。痛々しい場面もけっこうあった。彼の出ている映画を観るのはまだ二本目ですが、イ・ビョンホンは、なんだかいつもひどい目にあっているような気がします。自分がやられてるか、身近な人がやられてるか、みたいな。どっちにしても、いつも「やめてくれー!」みたいなことを叫んでる。土に埋められたりして。精神的にもきつそう。役者魂。

後半はひたすらバンバンって感じでしたが、前半はけっこうスカッとするシーンも多かった。特に、煽ってきた三人組みの若い人達をぶっ飛ばしちゃうところはカッコよかった。車を降りて、上着を脱ぐのかと思ったら逆にボタンとめたりして。でも車のキーを投げちゃってたのはちょっと笑えた。「パンチドランク・ラブ」にも同じようなシーンがあって、なんか全然弱そうな主人公が、急に改まった顔でツカツカツカって歩いていって、いきなりぶっ飛ばしちゃうみたいなのがあったんだけど、それを思い出した。ダメそうだった主人公がそのときはやけにカッコよく見えた。男って…。

帽子かぶってメガネかけたおっさんは気持ち悪かったですね。早く殺されてくれよと思った。ロン毛のおっさんも(どこの国にもいるんですねああいう人)。銃を売ってた人のところに来た男は、最後絡むんだろうと思ってたけど、ちょっと来るのが遅すぎた。しかもオイシイところだけ全部ひとりで持っていって。腹立つ。スケートリンクで殺されたハゲはもうしょっぱなからムカついていた。日本の俳優の誰かに似てる。もっとひどい殺され方してもよかった。顔が気持ち悪い。

なんか、最後の銃撃戦はロケ場所といい「鮫肌男と桃尻女」を思い出した。いっぱい撃たれたり刺されたりしてるのになかなか死なない、みたいなところも。世界観としては北野武の「BROTHER」っぽいのかなとも思ったんだけど、やっぱりああいうのやるならおっさんより若くてカッコイイ人がやった方がいい。その前に武は存在自体が好きじゃないけど。ラストのシャドーボクシングをしている姿はおかしかったけどなんかよかった。あのシーンが冒頭の続きだということを知ってちょっと切なくなった。


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イン・ザ・プール [映画]

原作を読んだ側から言わせてもらうと、主人公は絶対松尾スズキじゃない。だったらまだ野球選手の伊良部の方がイメージと合う。松尾スズキだとイヤラシすぎる。というか、松尾スズキは好きじゃない。それでも観ちゃったのは、原作が好きだったから。「あのキャラクターをどういう風にするんだろう」っていう淡い期待みたいなのを抱いて。でもダメだった。あれだったら映画化しない方がよかった。

なんか全体的に、テレビの安っぽいコントを見ているような感じだった(特にあの黒いモザイクとか)。きたろうも岩松了も本当に目障りだった。オダギリジョーも演技うまいのかなんなのかよくわからなかった。田辺誠一はなにをやってもああいう感じで、役者とはちょっと違うと思う。市川実加子はてっきりコンパニオンの役かと思っていたら違った。観る度に思うのだが、本当に、カエルみたいなお顔で。

編集長の役の人が出てきたとき、思わず心の中で、「深夜映画の解説コーナーみたいなやつに、いつもピンクのヘルメットかぶって出てる人だ!」と叫んでしまった。あの人、素人じゃないんですか?役者だとは知らなかったので本当にびっくりした。ちょっと特種なタイプだと思う。あんまり好きじゃないけど。

終盤、山に登るシーンくらいからはけっこう笑えた。オダギリジョーがキレるところもよかった。田辺誠一は本当に飛び込んでいたんでしょうか。なんかウソ臭く見えたけど。バッグから薬の袋が出てきちゃうところは悲しかった。というか、それ以前に、自分の奥さんがスーパーで万引きしたらどうしようとかちょっと考えてしまった。「もう別れて」とか言っちゃうかもしれない。

やっぱり全員同時進行で見せるよりも、オムニバスみたいに、ひとりひとり見せた方がよかったのではないかと思う。本を読んだときは心温まる話だったのに、映画になったらそれがなかった。「空中ブランコ」はテレビでやって、伊良部を阿部寛がやっていたけど、ビデオに録ったやつがどこかに行っちゃったので見れません。先端恐怖症のやくざを遠藤憲一がやっているのが見たかった。

原作を読んでいるとき、伊良部のイメージの俳優を思い浮かべることはなかったけど、看護婦は僕の中では柴崎コウだった。完全なる独断と偏見によるものだからあれだけど、でも、絶対あの映画に出てた人ではないでしょ。だったらまだ柴崎コウの方がいいでしょ。えっ、どっちも同じ?


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レイクサイドマーダーケース [映画]

これもけっこうキツかった。生理的に。結婚してるわけでも子どもいるわけでもないのに、なんか暗い気持ちにさせられた。独身者の夢を奪うのはやめて欲しいです。

冒頭からのあのいやらしい感じ、僕は好きでした。ああいうの最近は見ない(笑)。暗室みたいなところでいちゃついているシーンも微笑ましかった。というか女の人のあの格好が、もう男にとってはなかなかツボだと思う。だから、殺されちゃったときは、けっこう本気でがっかりした。しかもあんなひどいことまでされて。でも、ああいう役をやっちゃう人ってどうなんだろう。いくら女優とはいえ…。他人事ながら複雑な気持ちになります。

柄本明がなんか怪物みたいな役で出ていて、いかにもピッタリな感じで逆に嫌だった。しかもそれを自分の子どものためにやってるっていう(真相がわかったあとは、それがさらに顕著に出てたけど)のが全然似合ってなかった。子どものせいにしてやっちゃうところが、嫌悪感を倍増させた。子ども全員、観客の前で殺されて欲しかった。そうじゃないと観ている方も気持ちの踏ん切りがつけられない。もう、そういうのを「しょうがない」みたいな感じで許すのはやめた方がいいと思う(動機がないっていうのがやっぱり一番腹が立つ。製作者もそれをそのまま放っぽりっぱなしにするのはやめて欲しい)。

終盤でもうひとつ引っかかったのは、子どもとは全然関係ないけど、なんで裏取引の現場に、ハンチング帽みたいなのかぶってあの女の人がいるの?っていう疑問。なにあの都合のよさ。あの人はなんのカメラマンなの?そこらへんは原作を読まないとわからないのでしょうか。あんまり読む気しないけど。

ラストシーンは、年末に観た、「ZOO」を思い出してしまいました。なんでああいうラストにしたんでしょう。大人たちがリアルで怖いやりとりをしてたのに、一気に冷めた。最後にもう一度子どもたちを出さなかったのにも不満を覚えた。

映画というより、舞台の方がよかったのではないかと思いました。密室劇っぽいし。それにしても、杉田かおるには驚いた。普通にそこにいる感じが。役所広司はどんな映画でも良心なので好き。柄本明はなんかもう役者なのかなんなのかわかんない。前は好きだったんだけど。でもあんなに小さい子どもがいる設定は無理があるでしょう。トヨエツはもうなにをやってもトヨエツだった。役にも大した意味なかったような気がする。

「ホラー」として怖がらせるのが下手なのかなんなのかわかんないけど、全体的に安っぽく見えた。青山っていう人も、「Helpless」っていうのを観たときはすごい面白いなあって思ったんだけど、今回は…。波が激しい人なのでしょうか(笑)。予告編を観て「すごい面白そう」って思って借りたんですけどね。まあしょうがないよね。


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バットマン リターンズ [映画]

きたよミシェル・ファイファーのネコ姿。よく見たら変身したときだけ白粉みたいなのを塗っていたようで。バットマンとペンギンの前にくるくる回りながら登場するシーンはなんとなくだけど覚えていました。素敵すぎた。どうしたらあんな声出せるんでしょう。子ども心にもあれは鮮烈に残ったんだと思う。

衣装がだんだんボロボロになっていくのが悲しかった。もうあれだけで、彼女がどれだけ儚いかみたいなのがわかる。衣装を作るところは見てられなかったけど、絶対ハル・ベリーがやったキャットウーマンよりも、断然こっちの方が衣装はカッコイイでしょう。普段のメガネ姿はあんまり萌えなかったけど。でも、観終わったあとに考えてみると、やっぱりあれはラブストーリーだったんですね。

映画は、冒頭のペンギンが川に捨てられるシーンからなんかふざけている感じでした。いかにもティム・バートンっぽいというか。取り巻きのペンギンは、物のときと、いかにも作り物のときとが露骨にわかりすぎではないでしょうか。ちゃっちい。

あと、クリストファー・ウォーケン。あいつはいっつもあんなクズの役ですね。僕が観た映画ではいつも最低な男の役しかやっていない(笑)。見てるだけで腹立つ。本当に死んでくれればいいのにと思う。特に今回のやつは気持ち悪かった。なにあの目。いやらしすぎ。

最後はそんな最低な男とキスして死んでしまいましたミシェル。最後うしろ姿は映ってたけど、やっぱりあれは死んじゃったんだと思う。そう思う方が自然というか。観客はそうは思いたくないだろうから、ああいう風なラストにしたんだろうけど。ああ、やっぱり儚い。

(どうでもいいけど、バットマンのマスクはあんなに簡単に破れていいのか。ゴムなの?)


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美しい夜、残酷な朝 [映画]

年明けからいきなりキツいの観ちゃったなあという感じでしょうか。まあ、面白かったことは面白かったんですけど。ただ漠然と「ホラー」だという予備知識だけで観たので、かなりの驚きでした。

一番印象に残っているのは、やっぱり最初の「cut」でしょうか。ちょっとすごすごかった。見事に観ている方の心理を操ってくれます。「妻はピアニストなんだ」という言葉に、「だから切ったんだ。足の指を切って得意になるバカがいるか」という返し。これだけで、監督のセンスのよさ(?)がうかがえます。一番突いて欲しくないところをグサグサ突いて来る感じ。ピアノ線みたいなので体を固定されて、涙でボロボロになった顔だけをこちらに向けているあの姿を見ただけで、こっちまで気がおかしくなりそうでした。犯人役の俳優の顔も、見事に神経を逆撫でしてくれる顔で。本当に気持ち悪かった。

でもやはりテーマは「業」。単に、「かわいそう」とか「痛々しい」だけでは終わりません。夫の「告白」あたりから、だんだん「あれ?」って感じになってきます。確かに彼らは被害者で、犯人の男はどうしようもないけど、彼らも聖人ではないと観ている方は気づいてくる。彼らが心の内側に抱えている暗い部分を垣間見た気がする。それはきっと誰もが抱えているものなんだけど、改めて見せられるといい気分はしない。自分のやましいところを見せられたような気になるからかもしれない。

そこからまた、あの男、「十時間以内なら縫合は可能」とか言いながら、決定的なことをします。信じられない。旦那も、「もうどうにでもしろ」みたいなこと言ってたのに、あれには「やめてくれ!」ってなってた。やっぱり本当はいい人だった。終盤、あの子どもは誰なんだ、みたいなのもありつつ、結局ラストはなんとなく収まるように収まったという感だった。「やっぱりこれは全部悪い夢でした」とはならなかった。本当はそうなって欲しかった。

「box」は、まあまあだったけど、「cut」と比べちゃうとなんか盛り上がりに欠ける気がした。比べちゃいけないけど。なんたって世界のミイケだし。もともとこの映画を観たいと思ったのは、イ・ビョンホンでも長谷川京子でもなく、渡部篤郎がピエロみたいな格好をしているのを観たかったからでした(テレビの宣伝かなんかで見かけて)。中途半端な気はしましたが、彼は黙って立っているだけでなんとなく画になるところが好きです。

箱を開けるところでは、思わず指の隙間から見てしまいそうになりました(笑)。箱の中にいる女の子が、ちょっと開いた隙間からこっちを見てる、というのが、いかにもあの監督らしかった。オチは…、まあ、いいんじゃない?という程度。子役の女の子はかわいかったけど、小さい頃からああいうことをやらせていいのか?と疑問に思った。話の内容とか理解してるんでしょうか。全部理解した上でやってるとしたら気持ち悪い。子どもらしくない。子役が大きくなる前にダメになる理由はああいうところにあるんだと思う。

最後の「餃子」は…。実は冒頭の料理をしているシーンから、「アレってもしかして…」と思っていたら、本当にそうだったのでびっくりしました。包丁で切ってるところを見て、「やけに似てるけど、たぶんエビかなんかだろう」って思ってた。したらとんでもなかった。途中で本当に見せちゃってるのもすごかった。ラストも痛々しかったし。映画を観て以来まだ一度も食べていませんが、絶対しばらくは思い出すと思う。餃子を食べるとき。バイ・リンという人はなんの映画だったかわからないけど、前にも一度見ている気がする。名前が特徴的だったのでなんとなく覚えていた。美人だった。

僕としては、こういう映画もアリだろうって思うけど、理想としては、「そんな映画観るのやめて頂戴」と言われる家庭の方がいい。


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